リスケをするために必要なプロラタ返済の4つのポイント


プロラタ

ここ最近は、売上が減少してきており、資金繰りが苦しい。

そこで、銀行の返済を減額できるリスケという方法があると聞いたので、銀行に相談しにいった。

銀行の担当者はリスケをするなら、他の借入がある金融機関の返済についてもプロラタの返済でないとリスケは認められないということを言われたが、プロラタの返済の意味がよくわからない経営者の方も多いだろう。

そこで、本日はリスケをする上で必ず考慮しなければいけないプロラタの返済についてご説明していく。

弊社が実際にクライアント様にお伝えしている内容をご説明していく。

1.プロラタの返済とは

まず、プロラタの返済とは複数の金融機関に借入金がある場合に、その借入金を按分にて返済していくことである。

プロラタで返済する目的としては、債権者である複数の金融機関の公平性を保つことである。

例えば一方の金融機関は全額返済して、もう一方の金融機関は返済を止めるということは返済を止められる債権者としては不平等となる。

そこで、プロラタでの返済をしていくのである。

プロラタでの返済の按分方法は、各金融機関の借入金の残高によって按分する残高プロラタと、各金融機関側の担保などによって保全されていない借入金の残高で按分した信用プロラタの2つの按分方法がある。

残高プロラタと信用プロラタでどちらを使うかは、各金融機関の意向により変わってくるが、基本的には残高プロラタが一般的である。

メガバンクは信用プロラタを利用することが多い。

2.返済額の減額の場合のプロラタの返済について

ここからは、残高プロラタと信用プロラタの返済についてご説明していく。

2-1.残高プロラタ

各金融機関の借入金の残高によって按分する残高プロラタの場合は、まずはメインバンクから同意をとり、その後、他の金融機関の同意を得る。

実務ではプロラタ返済の同意をもらう前にリスケを認めてもらわなければいけないが、ここではリスケが認められたという前提でご説明していく。

リスケを認めてもらう方法についてはこちらの記事「元銀行員が教える!1ヶ月で資金繰りを改善できるリスケという方法」を熟読してほしい。

各金融機関の残高プロラタの同意をもらい、各金融機関の借入金の残高に応じて返済額を算出する。

例えば、借入残高が1億円あり、リスケ後の毎月返済額が10万円ずつの、残高プロラタの計算は下図のようになる。

借入按分

この事例では日本政策金融公庫の借入残高が5,000万円と一番多いため5万円と最も返済額が多くなり、信金については借入残高が2000万円と一番少ないため返済額も2万円と最も少なくなるのである。

このように、借入残高の按分によって返済する方法が残高プロラタである。

2-2.信用プロラタ

信用プロラタは各金融機関側の担保などによって保全されていない借入金の残高で按分したものである。

信用プロラタの場合も残高プロラタと同じで、まずはメインバンクから同意をとり、その後他の金融機関の同意を得ることが必要である。

メガバンクがメインバンクの場合は信用プロラタをすすめてくることが多い。

例えば、借入残高が1億円あり、リスケ後の毎月返済額が10万円ずつの場合、信用プロラタの計算は下図のようになる。

信用プロラタ

この事例では借入残高の多い順はメガバンク→A信金→日本政策金融公庫の順となるが、信用プロラタでは不動産担保や預金担保などを差し引いた、保全されていない借入残高によって按分する。

保全されていない借入残高が多いのはA信金と日本政策金融公庫が2,000万円と同額になり、メガバンクは保全されていない借入残高が1,000万円と一番少ない。

そのため、リスケ後の毎月の返済額はメガバンクの2万円よりもA信金と日本政策金融公庫の4万円ずつの返済の方が多くなるのである。

保全されていない借入残高で按分する方法が信用プロラタである。

ただ、各金融機関によって不動産担保などの評価額が若干違う場合もあり、利用しづらいことも多い。

3.プロラタでの返済を守らないとリスケを認めてもらえない

ここまで、プロラタの返済についてご説明させていただいたが、もしプロラタの返済を守らなかった場合どうなるのか。

結論を先に言うと、リスケが認められないことが多い。

一方の金融機関が返済額を多くしてもらい、もう一方の金融機関の返済額を少なくすると債権者の不平等が生じるためである。

返済額を多くしてもらった金融機関は何も言ってこないが、返済額を少なくされた金融機関はリスケを認めないのである。

基本的には各金融機関が同じ月からプロラタ返済でのリスケをしなければいけない。

ただ、各金融機関の返済期日の関係で先に引き落としされてしまう場合があるため、もしリスケをするまでのズレが生じてしまった場合はメインバンクを筆頭に各金融機関同士で話し合いをしてもらえばいい。

4.プロラタの返済を考慮しなくてもいい場合

プロラタの返済を考慮しなくてもいい場合が2つある。

1つは毎月の返済額をゼロでリスケする場合は、残高プロラタや信用プロラタで按分したとしても、そもそも毎月の返済額がゼロなので各金融機関への返済額もゼロとなる。

2つ目は、借入がある金融機関が1つだけの場合は他の金融機関と按分する必要がない。

上記2つの場合は基本的には、プロラタでの返済は考慮しなくてもいい。

5.プロラタでの返済より先に返済額ゼロを検討する

毎月の返済額を減らしプロラタでの返済を検討する前に、まずは返済額ゼロでのリスケを検討した方がいい場合が多い。

それは、中途半端にリスケをしてもあまり資金繰りが改善しないことがあるからだ。

金融機関としては少しでも返済してもらいたいため、返済額ゼロは回避しようとする。

しかし、その話にのってしまうと本来の目的である、資金繰りを改善するという目的が達成できないこともある。

あと、金融機関は返済額をゼロから増やすことについては認めてもらいやすいが、減額した返済額をさらに減額することについては認めてくれないことが多い。

返済できるキャッシュフローがあるならばプロラタでの返済を検討してもいいが、返済できるキャッシュフローがないならば返済額ゼロでの返済を先に検討する必要があるだろう。

まとめ

プロラタの返済とは借入金を按分によって返済していくことである。

プロラタの返済には借入残高による按分する残高プロラタと担保などによって保全されていない借入金の残高で按分した信用プロラタがある。

金融機関は基本的に残高プロラタをよく利用する。

プロラタの返済を守らない場合はリスケを認めてもらえないことが多い。

そのため、各金融機関としっかりと調整する必要がある。

ただし返済額がゼロの場合や借入先が1つしかない場合は、プロラタの返済はあまり考慮する必要はない。

まずは、資金繰りの改善をするためにプロラタでの返済を検討する前に返済額ゼロを先に検討した方がいいであろう。