設備投資を失敗した時の3つの対処法

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事業拡大のために銀行から借入をして設備投資を行ったが、コロナウイルスの影響で事業拡大の状況ではなくなってしまった。

設備投資した分の売上が伸びていないので、銀行への返済が苦しくなり、資金繰りが悪化してきている。

このまま返済を続けていたら、資金ショートしてしまう可能性がある。

そこで、本日は設備投資を失敗してしまった時の対処法をご説明していく。

弊社が実際にクライアント様にお伝えしている内容をご説明していく。

1.設備投資失敗の際の資金繰り改善策

設備投資を失敗してしまった場合、資金繰りの対策を行わないと資金繰りがどんどん悪化していく。

設備投資の借入の返済期間は土地建物15年以内、機械7年以内が多い。

運転資金の借入期間よりは一般的に長い返済期間ではあるが、設備投資は借入金額が大きくなるため返済額も多くなり、売上が伸びないと資金繰りが悪化する。

資金繰りが苦しくなると追加融資を銀行にお願いすると思うが、設備投資での借入金額が多いと融資を断られることもある。

運転資金の融資を断られたら、お金が減らないように支出を抑えなければいけない。

では、ここからすぐに支出を抑える方法をご紹介する。

1-1.リスケ(リスケジュール)

まず、設備投資を失敗した場合は借入の返済額が多いため、返済額をリスケすると資金繰りの改善効果が高い。

リスケとは銀行の返済を減らす方法である。

例えば毎月の返済額が200万円ある場合は、返済額をゼロにすることができる。

設備投資を失敗した場合、リスケが成功すればキャッシュフローは劇的に改善することが多い。

それは設備投資で借入した分の返済を減らすことができるからである。

リスケをしている間にまずは売上を伸ばすために顧客の開拓をしていただきたい。

リスケについてはこちらの記事「元銀行員が教える!1ヶ月で資金繰りを改善できるリスケジュールという方法」で詳細にご説明しているので参考にしてほしい。

2.リスケをしながら今後の方針をすすめていく

ここからは設備投資を失敗した場合に傷口を広げないための方法をご説明していく。

まずは、設備投資した分の売上を上げるために努力していただきたいが、売上が上がる見込みがない場合は今後の方向性を見出していかなければいけない。

設備投資に失敗した場合で売却して銀行借り入れの分を相殺できれば一番いいのだが、そのようなケースは稀であるため、以下のような方針が多い。

  • 撤退
  • 賃貸
  • 他の事業で穴埋めする

である。

2-1.撤退

もし、設備投資をしたが顧客のニーズがまったくなかった場合、撤退をした方が傷が浅くて済むことがある。

例えば、飲食店を複数経営している飲食業の場合、新店舗をオープンしたが売上が伸びず赤字になっている時は、黒字になる見込みがなければ撤退することも必要である。

内装工事などの設備投資分は無駄になってしまうが、今後さらに赤字が続くのであれば設備投資した以上にお金を減らすことになる。

結果、傷口を深くしてしまい資金繰りがまわらなくなってしまうことがある。

その場合は撤退をするのも経営者の判断では大切なことである。

2-2.賃貸

製造業が新築の工場を作ってしまって売上が伸びていないケースは上物が建ってしまっているため、撤退したくても売却するのは難しいだろう。

もし売却できたとしても銀行から借りた金額を大幅に下回る可能性が高い。

その場合は、もし賃貸で貸せる会社があれば、賃貸で貸し出す方法もある。

土地や建物は賃貸で有効活用できることがあるため、賃貸で貸せる先がないかを検討する。

賃貸で貸し出し先があれば、毎月賃貸収入が入ってくるため、資金繰りは改善される。

2-3.他の事業で穴埋めをする

IT企業の場合新しいアプリやシステムを作るために投資をしたが、サービスが当たらなくて失敗することがある。

この場合当たらなかったサイトやシステムは売却できないケースが多いので、受託開発などの別の事業で利益を出していくしかない。

3.設備投資で失敗したら他の事業で挽回するしかない

設備投資を失敗した場合は切り替えることも大切である。

なぜ、失敗したかを考えていただき次の設備投資の際に活かしてほしい。

なるべく設備投資のリスクを減らすには自己資金を用意して全額借入に頼らないことである。

自己資金で一部でも資金を準備をしていれば、例え設備投資が失敗しても銀行への返済がまだ少ないため資金繰りはそこまで悪化しない。

設備投資で失敗して投資した設備が今後も有効に活用できる見込みがなければ他の事業で収益を上げていくしかない。

それが既存事業なのか新規事業なのかは各会社によって違うと思うが、リスケを継続しながら方向性を決めていく必要がある。

まとめ

設備投資を失敗してしまった場合の資金繰り改善効果が高いのはリスケをすることである。

リスケをすることにより、銀行への返済を減らすことができる。

リスケをしている間に売上を伸ばす努力をしていただきたい。

もし設備投資した分の売上が今後伸びそうもないなら

  • 撤退
  • 賃貸
  • 他の事業で穴埋めする

を検討した方がいい。

設備投資に失敗してもリスケをすることにより資金繰りが改善され、その間に自社にとって最適な方法を選択していただきたい。

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田烏武

代表取締役株式会社 田烏経営研究所
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し中小企業、個人事業主向けの融資業務を担当する。 業績悪化先に対する返済条件のリスケジュールを毎月のように行う。 数多くの業績悪化先の特徴を見る中で、資金繰りが悪化する原因についてわかるようになる。 世の中の中小零細企業の資金繰り改善を目指すため独立。 得意分野は業績悪化先に対するリスケの実行支援。

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