会社名義で金融商品を買ってはいけない理由

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会社名義の金融商品について

経営者の方なら証券会社や銀行から、金融商品のセールスをうけられたことがある方が多いと思います。

最初は個人名義でも、そのうち会社名義でも買ってしまうこともあるかもしれません。

ただし、これはやめておいたほうが良いでしょう。

投資商品はいい状況ばかりではないからです。

当然、リーマンショックのようなことがあれば一気に損失は膨らむことになります。

会社名義で金融商品を買ってしまうと、経営が苦しくなった場合に投資商品の損失が大きい場合は売却しずらくなります。

会社名義で金融商品を購入するデメリット

上記でもご説明したように値下がりしている時に売却しずらいことがあげられます。

利益がでていれば売却も可能ですが損失が出ている状況では売却はしずらいものです。

会社経営ではいい時もあれば悪い時もあるのが普通なので、業績が悪い時に資金不足になってしまうことも考えられます。

業績が悪化した時のために金融商品ではなく、定期預金にしておけば資金繰りに回せます。

もう一つのデメリットは値下がりしている場合は、決算書の評価が下がってしまう可能性があります。

決算書の評価が下げるというのは、企業の格付けというものを金融機関は行うのですが、その評価が下がるという事です。

評価が下がってしまう代表的なものは、過去に購入されたゴルフ会員権やリゾート会員権などがあります。

私も銀行員時代に格付けを行っていたのですが、決算書のゴルフ会員権やリゾート会員権などは時価に直した場合、購入価格と同等の価値がないケースがほとんどでした。

金融商品を購入した場合、決算書には購入した時の金額がのります。

値下がりしていても購入した時の金額として決算書にはあげられます。

しかし、銀行や信用金庫は金融商品を時価に換算します。

例えば当初1,000万円の金融商品を購入したが、現在は500万円に値下がりしてしまったとします。

そうすると銀行や信用金庫は決算書の資産の部から500万円に換算しなおします。

資産の部の金額が減少した場合、自己資本比率を下げる要因になります。

そうなった場合、会社のランクが下がってしまうことになります。

銀行から勧誘された場合

とは言ってもメインバンクさんからセールスの話があれば、断りづらいこともあるでしょう。

断ったからと言って融資をうけられなくなることはありませんので、購入しないようにされた方が無難かと思います。

融資をちらつかせて金融商品を購入させることは「優越的の地位の濫用」と言って禁止されているからです。

そのため、金融商品を断ったからという理由で融資を断られることはないのです。

もし、どうしても購入したい場合は、会社の融資審査に影響が出ないように個人名義で購入して頂けたらと思います。

まとめ

会社名義での、金融商品はリスクが高いのでできる限りやめた方が良いかと思います。

経営者の方は本業で利益を出し、資産を増やすことを目指しましょう。

欲をかけば損失が出た時に、融資が受けられないなどの取り返しがつかなくなることもあるので注意が必要です。

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田烏武

代表取締役株式会社 田烏経営研究所
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し中小企業、個人事業主向けの融資業務を担当する。 業績悪化先に対する返済条件のリスケジュールを毎月のように行う。 数多くの業績悪化先の特徴を見る中で、資金繰りが悪化する原因についてわかるようになる。 世の中の中小零細企業の資金繰り改善を目指すため独立。 得意分野は業績悪化先に対するリスケの実行支援。

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