銀行員が御社に来なくなる3つの理由
そういえば最近、会社に銀行員が来なくなった気がする。
今までは融資のご提案によく来ていただいていたが、最近めっきり銀行員が来なくなった。
うちの会社は大丈夫なのだろうか?
と、ご心配な経営者様もお見えかと思います。
そこで本日は、元銀行員が「銀行員が御社に来なくなる理由」をご説明していきたいと思います。
元銀行員としての私の経験や現在の傾向を踏まえて、解説していきたいと思います。
1.銀行員が来なくなる理由
銀行員が来なくなる理由を一つずつご説明していきます。
1-1.担当者が苦手意識を持っている
まず、銀行員が来なくなる理由で多いのは、銀行の担当者が経営者の方に苦手意識を持っている場合です。
基本的に銀行員は、訪問する先を自分で決めることができます。
銀行員も人間なので、やはり相性が合う社長様と相性が合わない社長様というのは必ずあります。
もちろん 、相性で訪問回数を減らしてはいけないのですが、やはり相性の兼ね合いで回数が減ってしまう場合はあるかと思います。
私も銀行員時代は、苦手な社長様の会社になかなか訪問がしにくかったことがあります。
経営者様に問題はないけど、銀行員に苦手意識を持たれている場合は、訪問回数が減る可能性があります。
このケースは、支店長にご依頼し、担当者を代えて頂いたりするのも一つの方法です。
1-2.営業担当者が減らされている
銀行員が会社に来なくなってしまう理由として、人手が足りていない場合があります。
人手が足りていないと言うのは、経営の効率化などで銀行の営業担当者が減らされているからです。
営業担当者が減らされる理由としては、外部環境の変化があります。
外部環境の変化として人口減少、デジタル化など様々な変化がありますが、一番大きい外部環境としては、マイナス金利の影響です。
銀行のビジネスモデルはお金を預かって、それを融資に回すと言うのが基本のモデルです。
そのため金利が高い時は儲かりますが、金利が低い場合はあまり儲かりません。
マイナス金利の影響で市場金利は最低ラインまで下がっているので、現在は融資をしても銀行はあまり儲からないのです。
例えば中小企業様に1000万円を融資をしたとします。
金利が1.5%だとしますと、年間で15万円しか銀行の収益になりません。
その収益では、営業の人件費などを考えると、採算が合わなくなってきます。
そうすると、経営効率を高めるために、営業担当者を減らされます。
ただ、人は減らされたとしても業務量はあまり減らないので、一人当たりの担当先が増加します。
一人当たりの担当先が増えれば、担当先をカバーしきれなくなり訪問回数が減るケースも発生します。
今まで定期的に訪問していただいていたが、営業の担当者を削減されて、なかなか訪問ができなくなるというケースがよくあります。
この営業担当者が減らされるケースは、マイナス金利が続く限り、多くの銀行や信用金庫で起こる可能性が高いと思います。
このケースに関しては、経営者様から銀行員の方又は支店長に積極的にアポイントを取っていただいた方がよろしいかと思います。
1-3.融資ができない
銀行員が来なくなる理由で、今後、一番増加する可能性が高いのが、融資ができないと言うケースです。
銀行員の方は、事前に融資が出せるかどうかを考えます。
営業担当者は効率的に実績を上げなければならないので、融資を出せない中小企業様に関しては必然的に訪問回数は減ります。
融資を出せないと言うのはどういう事かといいますと、単純に保証協会の融資枠が既にいっぱいになっている、又は業績が大幅に悪化しており融資ができない場合があります。
基本的に、不景気になると保証協会付き融資が増え、プロパー融資は回収の方向に銀行員の方は考えられるかと思います。
そのため、すでにコロナ融資で目一杯、融資を出された会社に関しては、返済が進むまで、融資が出せないため、訪問をしなくなるケースがあります。
このケースの対処法は、自社の業績を上げる事が効果的な方法です。
業績を上げることができれば、必然的に融資枠も広がり、運転資金や設備資金の需要なども増える可能性が高いからです。
銀行員の方の本音は、効率的に実績を上げるために、右肩上がりで売上が伸びており、利益がたくさん出ている儲かっている会社を重点的に訪問したいのです。
まとめ
銀行員が訪問しなくなる理由で多い理由として
・担当者が苦手意識を持っている
・営業担当者を減らされている
・融資ができない
の三つが多い理由です。
「担当者が苦手意識を持っている」と「営業担当者を減らされている」場合に関しては、担当者を変えて頂いたり、経営者様の方からアポを取っていただくのも一つの方法かと思います。
業績が悪化していて融資が出せないため、訪問回数が減っているケースに関しては、業績を上げていただくことが一番の改善策となります。
本記事が、少しでもお役に立てていただけましたら幸いです。
田烏武
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