信用保証協会で融資をうけるための15の条件

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信用保証協会

コロナウイルスの影響によって、業績が悪化してしまって資金繰りが厳しい。

融資をうける方法として、信用保証協会を利用して融資をうけたいが融資をうけるにはどのようなことが必要なのかわからない。

そこで、本日は元、銀行員が信用保証協会で融資をうけるために必要なことをご紹介していく。

信用保証協会で融資をうけるための条件

1.反社会的勢力でないこと

信用保証協会で融資をうけるには、まず反社会的勢力でないことがあげられる。

経営者だけでなく、役員に反社会的勢力の方がいる場合も融資をうけることができない。

これは、信用保証協会だけでなくすべての金融機関で共通のことである。

2.事業規模

信用保証協会は中小企業向けの融資制度のため、中小企業であることが必要である。

では、中小企業とはどのような企業を指すのか?

中小企業の定義は、下図の表である。

中小企業定義

資本金か従業員数のどちらか一方の条件に当てはまっていれば、対象となるため、ほんどの企業が当てはまるであろう。

3.業種

中小企業のほとんどの業種は信用保証協会の融資の対象であるが、農林漁業や風営法にひっかかる事業は対象外となる。

風営法にひっかかる業種とは、例えば風俗などがあげられる。

この場合は、信用保証協会で融資をうけられない。

4.営業地域

信用保証協会は全国に51カ所ある。

各都道府県に1つは必ずある。

自社の本社または支店がある県で、融資を申込まなければいけない。

例えば東京に本社がある場合でも愛知県で支店があり、事業を行っていれば愛知県の信用保証協会で融資をうけることもできる。

5.税金・社会保険料を滞納していないこと

信用保証協会は実質のところ国が運営しているため、税金や社会保険料を滞納していないことが条件となる。

私が資金繰りのご相談を頂く際に、消費税や社会保険料を滞納していて、融資がうけられない中小企業が多くある。

融資をうけたいならば、税金や社会保険料を納付してから融資を申込みしなければ、融資審査は基本的には通らない。

6.多額の高利の借入がないこと

高利の借入とは、消費者金融などの金利(20%程度)の借入のことである。

保証協会が会社名義でのノンバンクなどの高金利などの借入があると、融資したお金が高金利の返済に回ると考え、保証をしない事が多い。

高利の借入があると支払利息の負担が大きくなるため、信用保証協会の融資をうけても返済ができなくなる場合が多い。

そのため、高利の借入の解消が見込めない場合は融資審査も通らない。

7.粉飾決算をしていないこと

信用保証協会は決算書をもとに審査をしているため、嘘の決算書を提出し融資をうけようとすれば正しい融資審査ができない。

そのため、粉飾決算をしている中小企業は融資をうけることができない。

また、粉飾決算をして融資をうけられてとしても粉飾決算が発覚したら全額返済を求められることもある。

その後も、粉飾決算をした会社ということで信用が失墜しているため、しばらく信用保証協会の融資はうけられない。

なので、粉飾決算はしない方がいい。

8.許認可が必要な事業の場合、許認可を取得していること

事業を行う上で許認可が必要な業種もある。

例えば、飲食業や建設業など許認可ないと仕事ができないことがある。

信用保証協会は無許可の中小企業には融資の保証はしないので、事業に必要な許認可をきちんと取得する必要がある。

9.事業資金に使うこと

信用保証協会は中小企業の発展のために融資の保証をするため、事業に使われない融資の保証はすることができない。

例えば、事務所兼自宅の融資の場合でも、事務所の部分は融資がうけられるが事業に関係ない自宅は、信用保証協会では融資の対象とならない。

10.借入の返済を延滞していないこと

会社で保証協会付き以外の借入がある場合、その借入を延滞している時は保証協会の融資は借りられない。

11.銀行取引停止処分をうけていないこと

手形の不渡りを半年で2回出すと、銀行取引停止処分となる。

手形の不渡りが出るということは資金ショートをおこしている状態のため、返済ができる可能性が低いため信用保証協会の融資をうけることはできない。

12.資金使途違反をしていないこと

前回に保証協会付き融資を利用した場合に、資金使途違反をしている場合は融資をうけることができない。

資金使途違反とは、例えば設備資金として融資をうけたのに運転資金として使ってしまった場合などである。

この場合は、信用保証協会の信用がないため、融資をうけることができなくなる。

13.他の会社で求償権が残っていないこと

別の会社で経営をしていたが倒産してしまった場合、銀行から保証協会に融資の債権が移動することを代位弁済という。

代位弁済後に保証協会から返済を求められることを求償権という。

求償権は連帯保証人も対象となり、経営者は連帯保証人にほぼ入っている。

求償権があるということは保証協会に対して返済できていない債権があるため、例え新しい会社を作ったとしても信用保証協会の融資をうけることはできない。

14.法的整理をしていないこと

会社更生や民事再生などの法的整理をしている場合は、信用保証協会の融資をうけることができない。

15.貸付金が多額にある場合

代表者や関連会社への貸付金が多いと、信用保証協会の融資をうけることが難しくなる。

信用保証協会は事業資金として融資の保証をするため、事業に使われずに流用されることを嫌うからである。

まとめ

中小企業の資金繰りに、信用保証協会は欠かせない存在である。

信用保証協会が保証をしてくれるから、銀行も融資をするといった場合が多くあるからだ。

信用保証協会を上手に活用することができれば、資金繰りも安定する。

信用保証協会で、融資の保証をうけるには、最低限、本日ご紹介した内容を満たす必要がある。

その上で、財務内容などを加味して融資審査を行っていく。

信用保証協会で融資をご検討されている場合は、本日の記事を今一度確認してほしい。

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田烏武

代表取締役株式会社 田烏経営研究所
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し中小企業、個人事業主向けの融資業務を担当する。 業績悪化先に対する返済条件のリスケジュールを毎月のように行う。 数多くの業績悪化先の特徴を見る中で、資金繰りが悪化する原因についてわかるようになる。 世の中の中小零細企業の資金繰り改善を目指すため独立。 得意分野は業績悪化先に対するリスケの実行支援。