リスケからの復活をするために必要な6つの事

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現在、銀行の借金をリスケ中であるが、このままでは借金が減っていかない。

リスケ中は将来が不安であり、何とかリスケから復活したい。

ただ、どうすればリスケから復活できるのかがわからない。

そこで、本日はリスケからの復活をするために必要なことをご説明していく。

弊社がクラアント様に実際にお伝えしている内容をお伝えしていく。

1.利益を増やす

リスケ中の中小企業は経費削減をすでに行っているであろう。

これ以上経費の削減ができない所までいったら、後は利益を増やしていくしかない。

利益が増えなければ銀行への返済原資が出せないからである。

では、ここから具体的にリスケからの復活に必要な利益の増やし方をご説明していく。

1-1.売上ではなく粗利益(粗利率)を意識する

まず、利益を増やす方法として粗利益(粗利益率)を高めることである。

粗利益とは売上から原価を差し引いたものである。

原価とは、商品の仕入れや外注費など売上と連動してかかる経費のことをいう。

粗利益は

粗利益=売上-原価

となる。

粗利益率の計算式は

粗利益率=粗利益÷売上

となる。

利益を増やすためには粗利益率を高める必要がある。

まずは、自社の粗利益率が何%程度あるのかを決算書で確認してみるといい。

自身でわからなければ税理士か専門家に聞いてみるといい。

粗利益率は業種によって幅がある。

製造業の場合 40%~50%程度

小売業の場合 30%程度

建設業の場合 40%~50%程度

サービス業の場合 70%~80%程度

IT企業の場合 80%~90%程度

となる。

リスケになってしまった中小企業で多いのはどんぶり勘定で、商品や案件ごとにいくらの粗利益(粗利益率)を確保しなければいけないのかを把握していないことが多い。

そのため、採算が悪化してしまっていることに気がつかず利益が減り、その結果リスケになってしまう。

採算管理をして粗利益を上げることができれば利益が増え、利益が増えてこればリスケからの復活が見えてくる。

1-2.商品別・サービス別の粗利益率を算出し改善する

では、ここからは具体的にどのように粗利益率を管理していけばいいのかをご説明していく。

粗利益率を改善するには、商品別やサービス別に粗利益率を出していくことで、どの商品やサービスの粗利益率が高いのか又は低いのかがわかる。

例えば会社全体の粗利益率が現状28%だとして、30%まで粗利益率を引き上げたいとする。

自社の商品が3種類あり、売上金額はA・B・Cどれも同じくらいの場合

 

商品Aの粗利益率20%

商品Bの粗利益率35%

商品Cの粗利益率30%

 

だとする。

この場合、粗利益率が一番低いのは商品Aの20%である。

商品Aの粗利益率を25%まで高めることができれば会社全体の粗利益率は30%に到達する。

この場合、会社全体の粗利益率を高めるための手っ取り早い方法は、粗利益率の低い商品Aを改善することである。

改善方法としては

  • 値上げをするか
  • 仕入れ原価を抑えるか
  • 商品Aは廃止にし、商品B、商品Cに注力する

の3つの選択肢がとれる。

このように粗利益率を商品やサービスごとに算出し、粗利益率の低いものは改善していくことで、粗利益率を高めることができる。

1-3.不採算部門を廃止する

例えば、飲食業で店舗A、店舗B、店舗Cとあったとする。

この時、店舗A、店舗Bは黒字であるが、店舗Cは赤字という場合、

店舗Cが不採算店舗となる。

不採算店舗の改善が進まない場合、店舗Aと店舗Bで出した利益が店舗Cにとられてしまうことになる。

会社全体の利益率を改善するためには店舗Cの改善をする必要がある。

ただし、店舗Cの改善が進まない場合は、店舗を閉めるという方法が会社全体としたら最良のケースも多い。

例え、会社全体の売上が減少したとしても、利益が増えればいいのである。

リスケ中の場合、規模を縮小し利益率を高め、利益額を増やしていった結果、リスケからの復活ができる可能性が高まる。

2.売上を増やす

利益率を改善し、利益を増やすこともリスケから復活するには必要ではあるが、同時に売上も増やさないとリスケからの復活ができないケースもある。

ただ、リスケ中の場合は資金に限りがあり、大規模な広告を打ったり、営業人員を増やしたりすることはできない。

その条件の中で、売上を増やす方法についてご説明していく。

2-1.得意分野(強み)に特化する

リスケ中の場合は自社の得意分野(強み)を見つけ、得意分野に特化していく戦略が適している。

他社に負けない自社の得意分野で勝負することができれば、売上を増やせる可能性が高まるからである。

では、どのように自社の得意分野(強み)を見つけるかというと、

切り口としては

  • 自社の商品別の中で最も売れている商品はどれか?
  • 自社の客層(業種別、年齢層など)の中で最も売れている客層はどこか?
  • 自社の商品はどの地域で最も売れているか?
  • 自社の客層でどの販売ルートで最も売れているか?

である。

また、既存のお客様に対してなぜ、自社から商品・サービスを購入いただいているのかをアンケートしてみるのも自社の得意分野(強み)を見つける上で参考になる。

自社の得意分野(強み)を見つけることにより、競争優位性が高まり、他社との差別化に繋がる。

差別化ができれば、価格競争にも巻き込まれにくくなる。

大事なことは客層を絞り込み、価格競争に巻き込まれないニッチな市場をとりにいくことがリスケからの復活のためには必要である。

例えば、建設業の場合で自社の得意分野(強み)は建物の改修が得意ということがわかった。

大手は新築の案件は非常に強く、中小企業では太刀打ちできないことも多い。

その場合は、あえて新築は狙わずに、得意分野の建物の改修の案件を狙っていく方が大手と競合しない。

大手は規模の小さい建物の改修よりも、新築の案件の方が儲かるため、あまり注力しないことが多い。

自社の得意分野(強み)に特化した結果、大手と競合せず、その結果、売上も利益率も高まることがある。

得意分野に特化するということは、今やっている業務の一部をやらないという選択も必要である。

経営資源の少ない中小企業が勝てるパターンで多いのは、得意分野(強み)に特化することである。

商品やサービスの種類が減ると売上も減りそうで恐いというご意見をよくいただくが、それは逆である。

何でもできると見せるのは自社の得意分野(強み)が何なのか、お客様に伝わらず、結果、経営資源の多い大手に負けてしまう。

特にリスケからの復活をする中小企業は自社の得意分野(強み)を見つけ、得意分野に特化することで売上を増やしていることが多い。

弊社ではお客様の得意分野(強み)などを整理するために、SWOT分析というものを行っている。

経営者の方であれば、一度はお聞きになったことがあるワードだと思うが、SWOT分析は強み(Strength)弱み(Weakness)機会(Opportunity)脅威(Threat)をまとめたものである。

SWOT分析のテンプレートはこちらSWOT分析

一度、SWOT分析で自社を客観的に見ることも重要なことである。

売上を増やすためには自社の得意分野を見つけ戦略を立てることが効果的である。

2-2.営業をする

自社の得意分野を見つけたが、何も販促活動をしなければ売上は増えることはない。

リスケになる中小企業でたまにある事例が、新規の営業活動をまったく行っていない場合である。

営業活動を行わなければ、売上が増える可能性は低い。

新規の営業活動を行っていない中小企業は、既存の取引先からの受注があるうちはいいが、外部環境の変化などで受注が減った場合は、売上も減ることになる。

紹介だけで、商売が成り立つのならそれでもいいが、リスケ中の場合は自社で販促活動を行わなければ、いつまでたってもリスケからの復活はできないことが多い。

そのため、自社の得意分野(強み)を見つけたら、得意分野の営業活動をすることが大事である。

営業活動が大事なのはわかるが、どのように営業すればいいのかわからないという経営者もみえる。

または、営業活動などしても無駄と思っている経営者もいる。

現状、経営が上手くいっているのならいいが、リスケ中で経営が上手くいっていないのならば、今までのやり方を変えなければリスケからの復活はできない。

営業活動があまり得意ではない経営者は、営業が得意な社員に任せたり、外部の専門家のアドバイスを聞くのもいいだろう。

リスケからの復活をしている中小企業は必ず営業活動を行っている。

営業活動をしなければリスケからの復活の可能性は低くなる。

3.何のために経営しているのかを見つめ直す

リスケ中の中小企業では、目的を見失っているケースも多い。

目的とは自社は何のために経営をしているのかということである。

売上や利益がモチベーションで、頑張れる経営者もいるが、売上や利益が思うように上がらない場合はモチベーションが保てないことが多い。

そんな時は、今一度、自社は世の中に対してどのように貢献しているのかを考えてみてほしい。

きっと、貴社がなくなると困るお客様がいるはずである。

貴社が今まで培ってきた歴史は伊達ではない。

お客様からの「ありがとう」という言葉を今一度思い出してほしい。

リスケから復活している中小企業は、何のために経営しているのかをしっかりとわかっていることが多い。

売上、利益の施策はすぐ実行したからといって、成果が出るものではない。

6カ月程度継続して、やっと成果が出始めることが多い。

成果が出るまでの期間はきっと辛く、不安な時期になるが、何のために経営しているのかを今一度見つめ直してモチベーションを維持していただきたい。

4.絶対、リスケから復活するという心構えが大事

どんなすばらしい経営手法を学んだとしても、実行をしなければ会社は何も変わらない。

中小企業の場合、会社を変えられるのは経営者だけである。

銀行も経営者の交代を強制できないし、株主は経営者自身のため株主総会で代表取締役を辞めさせられることもない。

リスケから復活できる中小企業は3割もないと言われている。

それは、リスケから復活するという心構えが足りていないケースもある。

リスケからの復活をする中小企業の経営者は「絶対、リスケから復活をする」という心構えが強い。

まとめ

リスケからの復活をするためには

  • 利益を増やす(粗利益率を増やす)
  • 売上を増やす

ことが必須である。

売上と利益を増やすための施策は、成果が出るまで6カ月程度はかかる。

成果が出るまでは、諦めずに継続していただきたい。

成果が出ない場合はやり方が間違っていることもあるので、再度見直しをしてほしい。

いつまでもリスケは継続できない。

このままリスケを継続できたとしても、最後に待つのは借金が返しきれずに倒産、自己破産である。

働ける今のうちに、リスケからの復活を是非していただきたい。

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田烏武

代表取締役株式会社 田烏経営研究所
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し中小企業、個人事業主向けの融資業務を担当する。 業績悪化先に対する返済条件のリスケジュールを毎月のように行う。 数多くの業績悪化先の特徴を見る中で、資金繰りが悪化する原因についてわかるようになる。 世の中の中小零細企業の資金繰り改善を目指すため独立。 得意分野は業績悪化先に対するリスケの実行支援。

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