事業拡大に失敗した時に行う3つの対処法

Pocket

数年前に事業拡大をするために、銀行から借入れをし、人も採用した。

店舗も新しく作ったが、コロナの影響で売上が激減してしまった。

そのため、資金繰りが悪化してしまい、このままだと資金ショートをしてしまう可能性がある。

そこで、本日は事業拡大に失敗してしまった時の対応策をお伝えしていく。

弊社がクラアント様に実際にお伝えしている内容をお伝えしていく。

対処法

事業拡大に失敗してしまった場合の、改善策は以下となる。

1.不採算店舗の撤退(経費削減)

2.銀行の返済を止めるリスケを行う

3.利益率を管理し、売上を上げる

となる。

では、ここからは具体的に事業拡大に失敗してしまった場合の、対処法についてご説明をしていく。

1.不採算店舗の撤退をする(経費削減)

事業拡大に失敗した場合は、まず真っ先にやるべき事は不採算店舗の撤退をする事である。

1-1.支店を減らす

事業拡大のために増やした固定費を減らすために、採算が合っていない支店や店舗又は事業部がある場合は、撤退することを検討する必要がある。

不採算事業を整理することで、赤字を抑える効果があるからである。

賃貸の場合は入居時に保証金を数か月分支払っている場合が多いため、保証金も戻ってくる。

保証金分でも戻ってこれば、資金繰りは若干でもプラスになる。

毎月の収支が赤字の場合は、賃貸料も支払うことが難しくなるため、そのうち退去することになる。

そうならないために撤退をするなら、なるべく早く決断をした方がいいだろう。

撤退の決断ができるのは、経営者しかいないのである。

1-2.人員整理をする

事業拡大をするために社員を採用をした場合は、人員整理をすることも検討していかなければいけない。

人員整理ができない場合は配置換えなどで、毎月の収支が赤字にならないようにしていく必要がある。

新規事業の立ち上げのために採用したが大赤字という場合は、撤退しないと会社の存続が危ぶまれるケースがある。

そのため、今後の見通しが立たない場合は、撤退ラインを決めておくことが重要である。

私は銀行員時代も資金繰りのコンサルのご相談の中でも、撤退が遅れて致命傷になってしまったケースを何度も見てきている。

新規事業のために採用した社員がいるがどうしても人員整理ができない場合は、既存事業の配置換えなど、既存事業に経営資源を集中させることも選択肢の一つである。

資金繰りが悪化し、もし給料が遅延した場合、社内に経営悪化の噂が広まり、優秀な社員から辞めていく傾向があるため、経営者の方は早期に判断する必要がある。

給料遅配などをしてしまい、社員から外部に情報が漏れて「あの会社は危ない会社だ」などの風評被害もある可能性もある。

そうならないためにも、事業拡大に失敗した場合は固定費を減らすために人員を整理することも場合によっては必要となる。

不採算店舗や経費の削減は、実行すれば必ず成果が出るため、事業拡大に失敗した場合には真っ先に行うことが会社存続には必要である。

2.リスケをする

事業拡大に失敗したことにより銀行から追加融資がうけられなくなってしまったら、まずリスケを検討するといいだろう。

リスケとは銀行への毎月の返済を減らす方法である。

例えば銀行への返済が毎月100万円ほどある場合、毎月の返済額をゼロにすることができる。

これができれば、事業拡大の失敗で悪化した資金繰りをすぐに改善させることができる。

事業拡大に失敗した場合、売上や利益が増加していないため、銀行からの追加融資は出ないことが多い。

銀行から追加融資を断られた場合は、すぐにリスケを検討した方がいい。

リスケをすると基本的にリスケ中は融資をうけることはできないが、追加融資をうけることができないのであれば、リスケをした方が毎月の支出を抑えることができるので、資金繰りは改善する。

リスケをする方法については、こちらの記事「元銀行員が教える!すぐに資金繰りを改善できるリスケジュールという方法」を参考にしてほしい。

3.収支をきちんと管理することが大事

事業拡大をするために、人を採用し、支店も増やした結果、売上は増えたが大幅な赤字になったというケースもある。

この場合は、資金繰りは悪化する。

経営者の多くは売上を重視する傾向があるが、売上を増やす目的は利益を増やすためである。

そのため、売上が増加しても利益が赤字ならば、収益構造を改善する必要がある。

赤字かどうかを把握するためには毎月の月次の試算表を出し、利益管理をする必要がある。

可能であれば、支店ごとの収支や事業部ごとの収支を試算表に反映してもらえると撤退の判断材料になるだろう。

月次の試算表を出すためには毎月顧問税理士と打ち合わせをする必要がある。

また、毎月の現金の収支を把握するために資金繰り表を作成するといいだろう。

資金繰り表の作成の目的は、今後の資金繰りの予測を立てることである。

資金繰り表の作り方についてはこちらの記事「【エクセルのフォーマット付き】初心者でも1日で資金繰り表の作り方がわかる6つの手順」で詳細に解説しているので参考にしてほしい。

事業拡大に失敗した場合は毎月の収支が赤字のことが多いため、毎月の売上・利益と現金の収支をきちんと管理していく必要がある。

まとめ

事業拡大に失敗した場合の対処法として

  • 不採算事業の撤退をする(経費削減をする)
  • リスケをする
  • 採算管理を徹底する

事が効果的である。

事業を拡大する際は、きちんと採算管理を行い、不採算事業となったら撤退をする事が資金繰りを改善する事が重要となる。

また、小さく始め、最初は経費をかけずに行うと失敗した時のダメージを少なくすることができる。

チャレンジすることは大切なことであるため、失敗してもめげずに今後の経営を頑張っていただきたい。

この記事がお役に立ちましたらフォローをお願いします

Pocket

The following two tabs change content below.

田烏武

代表取締役株式会社 田烏経営研究所
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し中小企業、個人事業主向けの融資業務を担当する。 業績悪化先に対する返済条件のリスケジュールを毎月のように行う。 数多くの業績悪化先の特徴を見る中で、資金繰りが悪化する原因についてわかるようになる。 世の中の中小零細企業の資金繰り改善を目指すため独立。 得意分野は業績悪化先に対するリスケの実行支援。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です