売上が減少した際の5つの対処法
ここ数年売上が減少してきており、資金繰りが苦しくなってきている。
何とか売上を回復させようと、いろいろと施策をうっているがなかなか成果に繋がらない。
ついに銀行からも追加の融資を断られてしまった。
このまま売上が回復しなければ、資金繰りがショートしてしまう可能性がある。
そこで、本日は売上が減少した場合の対処法についてご説明していく。
弊社が実際にクライアント様にお伝えしている内容をご説明していく。
1.支出を抑える
まず、売上が減少してきて資金繰りが苦しくなってきている場合は、支出を削減することを一番に考える。
支出を抑えることは売上を回復させるより簡単で確実だからである。
それでは支出を抑える方法についてお伝えしていく。
1-1.リスケ(リスケジュール)をする
銀行から追加融資を断られてしまったら、リスケをすぐに行うことをお勧めする。
リスケとは銀行への返済を減らすことができる方法である。
例えば毎月の返済額が100万円あったらゼロにすることもできる。
資金繰りが苦しくなる原因の一つは返済をすることによって、キャッシュが減っていくため、リスケをすると資金繰りは改善する。
リスケをする方法については、こちらの記事「元銀行員が教える!1ヶ月で資金繰りを改善できるリスケジュールという方法」を参考にしてほしい。
1-2.経費削減をする
経費を削減する際のポイントは金額が大きいものから削減していくことである。
経費が多い項目については、決算書の販売費及び一般管理費の項目を見ていただきたい。
経費削減の効果が高いのは固定費を削減することである。
固定費とは売上が上がらなくても必ずかかる経費である。
まずは経営責任を取る意味で役員報酬を削減する。
社員の給与については削減するとモチベーションが下がり、売上がさらに下がる可能性があるため、削減する際は慎重に行う。
ちなみに売上を上げるために必要な広告宣伝費などの経費についても、安易に削減してはいけない。
売上に影響する経費については費用対効果をみながら、削減することをおすすめする。
2.リスケ中の中小企業が売上を回復させる方法
リスケと経費削減をしても最後は売上を回復させなければ根本の解決にはならない。
ここからはリスケ中の中小企業が、売上を回復させるために有効な方法をお伝えしていく。
2-1.売上が減少している原因を分析する
まず、売上が減少している原因を把握する必要がある。
なぜ、売上が減少しているのかわからなければ対策がうてないからである。
原因を把握している場合はその解決策を考えていく。
よくある売上が減少している会社は他社と差別化ができていないケースが多い。差別化とは競合他社と比較して価格以外にアピールできるポイントがあるかである。
例えば商品、サービスが他社と同じで違いが説明できなければ、お客様は安い方から購入するだろう。
特に大手が価格競争をしかけてきた場合は、資本力のない中小企業は負けてしまう。
競合他社と差別化をしていくことが、売上を回復させるために必要なことである。
あと、売上の減少の原因で多いのはそもそも新規の顧客開拓をやっていないケースである。
今までは昔からの付き合いがある取引先で仕事がきて何とかなっていたが、新規の顧客開拓をしていないとだんだん売上は減少していく。
現状維持でいいと思っていると売上は減少していくことが多い。
売上が減少している原因を知る一番いい方法は、お客様から生の声を聞くことである。
お客様からみて、なぜ選んでもらえないかが他社と比較して何がいけないのかがわかるからである。
売上が減少している原因がかわからない場合はアンケートでも何でもいいのでお客様からの生の声を集めてみるといいだろう。
2-2.自社が勝てる分野に絞り込む(戦略を立てる)
売上が減少している原因を把握したら、その改善策(戦略)を立てる。
戦略とは
- どこで
- 誰に
- 何を
売っていくかを考えることである。
現状のやり方で上手くいっていないならば、自社が勝てる分野に絞り込んでいくことがリスケ中の中小企業の戦略では有効である。
経営資源が少ない中小企業が手広く商売を拡げると力が分散してしまい結果、資本力のある大手に負けてしまう。
または競合他社と差別化ができなくて価格競争に陥ってしまう。
リスケ中の中小企業の場合は、そもそも使えるキャッシュがあまりないので絞り込まなければ、価格競争をしてもほぼ100%負ける。
そのため、自社が勝てる分野に絞り込むことで一点集中することができ、資本力のある大手にも勝つことができる。
競合他社に対しても一点集中することで差別化ができるようになる。
自社が勝てる分野については下記の3つの視点からヒントにしてほしい。
- 自社のお客様はどこから来ていることが多いのか
- 自社のお客様はどのような客層が多いのか
- 自社のお客様はどのような商品がよく売れているのか
である。
3つの視点を組み合わせて顧客の分析をすることで自社が勝てる分野が見えてくる。
中小企業の理想は小さな市場の1位をとることである。
自社が勝てる小さな市場を見つけ絞り込むことで売上が回復する可能性が上がる。
よく経営者の方が絞り込みをすると売上が減ってしまうのではないかと思われるかもしれないが、それは逆で小さな市場の1位をとることでそれ以上に売上が上がるのである。
いろいろ手広くやろうとすると特徴のない会社になってしまい、お客様からなかなか覚えてもらえず、そのため選んでいただけないのである。
2-3.絞り込んだらターゲットにあう営業をする(戦術を立てる)
自社の勝てる分野を絞り込んだら、そのターゲットにあう営業(戦術)を行っていく。
営業方法は戦術にあたり、これを実行しないとせっかく戦略を考えても無駄になってしまう。
営業方法で大事なのが、購入までのプロセスを考えて行っていくことである。
認知(自社を知ってもらい)興味(自社の商品・サービスに興味を持ってもらい)
検討(商品・サービスを検討してもらい)
契約(購入してもらい)
継続(リピーターになってもらい)
ファン(ファンになってもらい新たなお客様を紹介してもらう)
営業方法は飛び込み・チラシ・ホームページ・SNSなど様々な方法があるが一番いい方法は自社の勝てる分野のターゲット客に一番、認知してもらいやすい方法を選択することである。
例えば、高齢者にネットを活用した営業をするよりも紙媒体などのアナログ的な営業をした方が有効的である。
また、お客様名簿の作成をして継続して購入してもらうための営業方法(割引券・クーポン・お礼ハガキなど)を導入することで売上が回復する可能性が高まる。
まとめ
売上が減少している場合はまずは支出を減らすことを行う。
支出を減らすのに有効な方法はリスケという方法である。
リスケをすることで銀行の返済を減らすことができる。
一緒に経費の削減も取り組む。
支出を減らした後は、売上の回復を目指していく。
売上の回復で重要なことは自社の得意分野に絞り込むことである。
リスケ中の中小企業は経営資源が特に乏しくなっているため、いかに絞る込めるかで生き残れるかが決まってくる。
自社の得意分野に絞り込んで営業することで、売上の回復がみえてくる。
田烏武
最新記事 by 田烏武 (全て見る)
- 銀行員が御社に来なくなる3つの理由 - 2021年6月10日
- 無利子融資の期限はいつまでなのか? - 2021年6月7日
- 経営者が知っておくべき銀行の貸し渋りについて - 2021年6月1日